蒸気機関車

すべてはここから始まった

昭和45年9月XX日　呉線　天応−小屋浦

そもそもこの趣味の道に入ったきっかけがこの写真。

当時中学1年で広島県の呉市に住んでいましたが、
これ以前に写真を撮ったことも特に汽車を見に行ったことも全く無かった小生。
この日、友人の父親に半ば強制的に連れて来られ、殆ど初めて手にする親父のカメラで見よう見まねで
撮ったまさに最初のカットがこれでした。
その瞬間はこれといって感動もなかったのですが、後日出来上がった写真を見て、子供心に何か感じる
ものがあったんだと思います。

(因みにこの場所にはその後「呉ポートピア駅」が新設され周辺は様変わりしてますが雰囲気は当時の
面影あり。)

ちょうどこの頃、昭和40年代半ばから世間は空前のＳＬブームとなり、中でもこの呉線が全国的に
有名だったことは皆さんご存じの通りですが、当時の小生にはそんな知識も興味も情報も全く無く、
機関車の形式など論外で、このＳＬがD51ではなくC59orC62だったらどんなにか貴重な写真となったか
なんて分かったのはかなり後でした。

また、なんでわざわざ遠くに(車で30分程度でしたが当時の小生としては遠出だった)行くのに、有名な
「急行あき」ではなくただの普通列車狙いだったのか？？未だに後悔しきり…

…と、これをきっかけに「汽車を見に行く(撮りに行く)」興味が湧き、身近な場所として呉駅脇の踏切に
放課後友達と行くようになり、呉駅で毎日夕方行われる貨車の入替作業(突放解放)を興味深々で見てました。

入替作業を終えたD51は、作業員を乗せたヨ1両を牽いて広駅(?)へ帰って行くのでした。

昭和45年9月　呉線　呉

こうして、間もなく呉線は電化され、客車列車はすべてEF58牽引となり、呉駅の貨車入替もDE10にとって
変わり短期間ではあったが楽しい遊び相手を失った小生は、どこへ行けばまた会えるのか、
本屋の立ち読みで情報収集しては夢を広げていくのでした。

つづく